学年主任によるメッセージリレー④
中・高学校生活
2学年主任の花田先生よりバトンを頂きましたので、高校3学年のみなさんに、メッセージを送ります。個人的な話が主ですが、何か伝われば幸いです。
私は、幼い頃からずっと祖母より、「昔うちにね、久士(ひさし)さんという人がいてね、埼玉師範学校を出て、立派な先生だったんだよ。休みになるといつも教え子が家に遊びに来ててね…」なんて言う話を聞かされていました。
そして話の最後は必ず「久士さんは、戦争でね、硫黄島で玉砕しちゃったんだよ。無念だっただろうね。」でした。
飽きるくらい何度もこの話を聞いてきた私は、自ずと教員が将来の夢の1つとなり、大学生になった頃には「先生になろう」と心に決めていました。
そんな矢先、祖母が認知症になったと言う知らせがありました。
しかし、当時一人暮らしをしていた私は、(本当に人でなしですが)大して気にもせず、あまり実家に帰ることもしませんでした。
大学卒業後なんとか教員になれた時には、祖母の認知症もかなり進行していましたが、私が「”先生”になれた」と言う報告を聞き本当に喜び、ご近所さんに自慢して周った程だと後に聞きました。
数年前、ほとんど記憶をなくし、施設にいる祖母に会いに行きました。そこには、やせ細り、見る影のない祖母の姿がありました。
私はショックで何も言葉が出ませんでした。もちろん私のことは覚えていませんでした。
ところが、近くにいた母に「こちらの方は確か…先生ですよね。」と声をかけたのです。
「そうだよ!悠は先生になったんだよ。」と言葉をかけましたが、やはり私のことは覚えておらず、不思議なことに、自分が先生であることだけを覚えていたのです。
祖母は昨年天国へ旅立ちました。
でも確かに、私が先生であることは記憶に残っていました。
あまり”おばあちゃん孝行”はできませんでしたが、唯一病には消すことができない記憶を残してあげられたのかなと思います。
もしそうなら結果論でも”先生”と言う「夢」を目指し、叶えることができて本当によかったと思います。
生徒の皆さん、どうかどんな時も夢や目標を見失わないでください。
逆境でも諦めず叶える努力を続けてください。
できない理由を考えるより、どうしたらできるか考えてください。
あなた以上に、あなたのことで喜んでくれる人や大切に思っている人が周りにいませんか。
そんな人をあなたも大切に思うなら、前に進み続けなきゃだめです。
自分のために頑張ることがいつかは誰かのためになる。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は学年副主任によるメッセージリレーを行います。お楽しみに!