理事長インタビュー②

110th Anniversary

理事長に聞く!【第2弾】

今年も新年度がスタートしました。新入生や在校生・在学生・在園生の皆さんや保護者・関係者の皆さまへのメッセージとして理事長・学長である高橋暢雄先生にお話しをお伺いしました。

ーー新年度のスタートにあたり、武蔵野で頑張る全ての新入生や在籍する園児・生徒・学生の皆さんへのメッセージをお伺いしたいと思います。まずは理事長先生の新年度を迎えたお気持ちをお聞かせください。

高橋:毎年のことではありますが、「教員としてのお正月」でもありますので、身の引き締まる思いです。よく周囲から「教員をしていると若い」と言われるという話を聞きますが、生徒や学生は同じ人でも確実に成長していきますので、節目の新年度には教員側が新たに対応を変えて取り組まねばならない傾向があると思います。それが他のお仕事の方々よりも新鮮で若くいられる原因なのではないかと感じています。

ーーそれは興味深いですね。

高橋:ありがとうございます。逆に言えば、単に「知識さえ与えれば良い」とか「管理して問題が無ければ良い」というレベルで取り組んでいれば、生徒や学生の皆の成長や変化に対応出来なくなるとも考えることが出来ます。一見毎年同じ様に見える新年度のスタートではありますが、教員側の「覚悟」というか「プロとしての決意や意気込み」が問われるタイミングでもありますね。

ーーなるほど、その通りだと思います。さて、長らく続いたコロナ対応が緩和されることになりそうですが、その点はどの様に武蔵野は変わりますか?

高橋:このコロナ対応期間に、頑張ってくださった生徒・学生・園児の皆さんや関係者の皆さま、教職員の方々に感謝したいと思います。おかげさまで大きな問題も無く、武蔵野が乗り切れたのもおひとりおひとりの現場での対応に尽きると感じています。これから取り立てて変えることは無いとは思いますが、これまでより自由な活動が出来るからこそ、この期間のことを忘れてはいけないと思います。やはり、最大は「当たり前にならず感謝する」という心構えではないでしょうか。

ーー具体的にはどういうことでしょうか?

高橋:少し立ち止まって考えてみると、これまでの歴史を見て、社会全体の大きな問題に人々が巻き込まれるということは今回だけではありません。戦争や災害、時代の変化の中では、細かい記録に残らなくとも人々が「心の成長」をしていることがあると思います。しばらく経つと、それを知らないもしくは忘れた人々がまた繰り返してしまうと言われますが、それ以前に元に戻ると「当たり前」になってしまって、雰囲気が緩むことが大きいのではないでしょうか。ですから、コロナで失われていたものが取り戻されたことに「感謝」しないと、また違うものが来た時に慌ててしまうことになってしまいかねません。

ーー「感謝」が大切とはよく言いますが、思うよりも具体的な感謝が必要なのですね。

高橋:その通りだと思います。マザー・テレサさんが「感謝の反対は当たり前である」と仰有ったとされますが、ここで大切なことは、感謝とは起きてきたことだけに感謝するのではないということだと思います。良いことが起きたら感謝するけど、起きなければあるものは当たり前になってしまうというのでは、感謝の本質を理解していないということです。むしろ、今あることにどれだけ感謝出来るかが大切ということを教えてくれていると思います。

ーーなるほど。その意味ではコロナが緩和されたこれからが、感謝にとって大切なタイミングだと言うことですね。

高橋:はい、この新年度が始まるタイミングで、コロナ対策が緩和されることは大きな意味を持つと思います。新入生に限らず、新しい環境に一喜一憂するのではなく、もともとそこにある多くの有り難いことに感謝出来れば、もっと明るく前向きに日々に取り組めるのではないかと感じています。

ーー人間は時として「言われれば当たり前」のことに気がつかないことが多いですものね。

高橋:だからこそ、新年度という変化したタイミングに、頭の片隅でも良いので、この様なことを意識してもらえば、それは一生の財産にもなりますし、コロナということが単なる暗い思い出ではなく、この先に進むための必要なステップであったことに気がつかされるのではないでしょうか。
新年度という新しい環境は、人に負荷をかけてしまう面もありますが、そういう時こそこの様なことを思い出して、武蔵野という舞台を自分の為に活かしてもらいたいと考えています。

皆さん、新しいチャンスを掴んで、是非有意義で輝く学生生活の一年間にしてください。楽しみにしています。

ーーどうもありがとうございました。また改めてお話しをお聞かせください。

高橋:ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。